もう雑誌のモデルを目指す時代は終わった?廃刊創刊されていく雑誌から見えること
2016年10月号をもってRanzukiが休刊になりました。とても衝撃的で残念なことだったのですが、よく考えてみると、なんだかここ2~3年、廃刊・休刊になっていく女性誌が多いように感じます。
ここでは、最近廃刊・休刊になった有名な女性誌を取り上げ、逆に、最近創刊された女性誌も見ていきます。休刊・廃刊⇔創刊の一連の流れの中から、時代のトレンドが見えてくるかも知れません。
近年、廃刊・休刊になった女性誌一覧
Ranzuki
出版社:ぶんか社
廃刊・休刊:2016年8月23日(10月号)
「クラス1かわいくておしゃれなJKになれる」をモチーフにし、1998年に創刊された雑誌。読者対象はJK。ストカジ、ガーリー、ギャル系をたくさん扱った内容が特徴でした。
SEDA
出版社:日之出出版
廃刊・休刊:2016年6月7日(7月号)
おしゃれでゆる甘なファッション紹介を中心に扱った雑誌で、創刊は1991年。読者対象は10代後半から20代。ヘアやメイクの情報が充実しているところも特徴でした。
CHOKi CHOKi GiRLS
出版社:内外出版社
廃刊・休刊:2015年12月28日(2月号)
ボーイッシュ&かわいい系のストカジファッション雑誌。創刊は2009年。読者対象は10代~20代前半。メンズヘア雑誌「CHOKi CHOKi」の姉妹雑誌だったので、ヘア情報が充実していました。
CUTiE
出版社:宝島社
廃刊・休刊:2015年8月11日(9月号)
J-POPカルチャーとガールズファッションをリンクさせるHUBマガジンとして、1989年に創刊。原宿系、ロリータ系、ガーリー系、またアイドルなどのカルチャー情報も充実していました。
BLENDA
出版社:角川春樹事務所
廃刊・休刊:2014年8月7日(9月号)
海外トレンド情報や、セレブ系、大人ギャル系の女性ファッション誌として2003年に創刊。読者対象は20代が中心。ヘアやメイク情報なども交えて、ゴージャスな大人ギャルを目指す雑誌でした。
egg
出版社:大洋図書
廃刊・休刊:2014年5月31日(7月号)
1995年に創刊された、ギャル系のファッション誌。読者対象は10代が中心。渋谷で流行っている最新のトレンド紹介が豊富。JK向けページなども充実していました。
以上、近年休刊・廃刊となった有名な雑誌を6誌ご紹介しました。
そして、コメントを避けることができないのがもう一つ、「AneCan」です。2016年11月7日発売の12月号をもって休刊することが発表されました。
「AneCan」と言えば、蛯原友里さん、押切もえさん、磯山さやかさんらが活躍した女性ファッション誌の代表でもあります。残念でなりません…。
近年、創刊された女性誌一覧
&ROSY
出版社:宝島社
創刊:2016年9月
30代~40代の女性がターゲット。年齢と向き合った「女性の品格ある自然体」を提案します。クオリティの高い豪華付録も話題。3ヶ月ごとの季刊です。
HIP
出版社:グローバルイノベーション
創刊:2015年5月
女性誌にありがちなキラキラ感や上級向け情報をなくし、誰でも目指せる軽快ファッション&ライフスタイル情報を提供。「モテる」ではなく「楽しむ」がモチーフ。「smart」の元編集長が手掛ける雑誌です。
hb humming birds
出版社:メディアボーイ
創刊:2015年3月
ファッションとスポーツを同時に楽しむ、ナチュラル系のライフスタイル雑誌。20代~30代のアクティブおしゃれな女性が読者対象です。
CLUEL
出版社:THE BOOKS Publishing
創刊:2015年3月
上品・上質をモチーフに、流行よりもクオリティにこだわった女性誌。20代~30代の大人女子が読者対象。ファッションのみならず、コスメ、雑貨、食に関する情報も豊富です。
PERK
出版社:ミディアム
創刊:2014年9月
おしゃれと遊びをMIXした、都会のダウンタウンガールを目指す女性誌。年10回刊行。ハイストリートなガールズファッションの紹介をメインに、東京の街歩き情報なども充実しています。
ONKUL
創刊:2014年4月
スタンダート系、シンプル上品、ナチュラル系など、ベーシックなコーデを中心に紹介する雑誌。ライフスタイル情報も充実しているのが特徴です。
休刊・廃刊⇔創刊の流れから見えてくるトレンド
休刊になった女性誌は、いわばバブル時代と同じ流れをくんでいるとも言えます。
流行をキャッチして情報を提供する、または流行を創り出す、といったイメージでしょうか。言い換えれば、「女性たちの目指すべきもの」を一括して提案するのが、休刊・廃刊していった多くの雑誌に共通したコンセプトでした。
それに対して近年創刊された雑誌は、まるで隣にいる友達のよう。「目指すべきもの」という発想はなく、気軽さ、ナチュラルさをモチーフとする雑誌が多いようです。
手の届かないようなキラキラした専属モデルはほとんど見られなくなりました。また、ファッションだけでなくライフスタイル情報が多いことも特徴です。
個性を大事にしたナチュラルな女性がカッコいい時代
女性誌の休刊・創刊の流れを見ていくと、最近は「個性を重視したナチュラルな生き方」を大事にしている女性が増えてきたと感じますね。そういえば、自分素材を活かしたナチュラルメイクも定番化してきました。
カタヒジをはらず自然体で生きる女性が、今一番カッコいい女性なのかも知れませんね